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成功事例

大学共同利用機関 高エネルギー加速器研究機構

加速器設計におけるAnalystの活用        両角祐一氏

【背景】
両角氏は、高エネルギー加速器研究機構にて高エネルギー物理学(素粒子物理学)実験の為の国際的な加速器開発計画に携わっておられ、この分野では貴重な研究成果を数多く残されています。同氏の研究において三次元の電磁場解析は不可欠で、Analystを長年利用されています。このAnalystは、スタンフォード大学が運営する米国立研究所に起源があり、その後STAR(STAAR)社で独自の発展を経て、現在AWR社に受け継がれて性能の向上や機能の追加の為に製品改良が行われています。

設計上の課題
同氏の最近の主な加速器開発としては、非常に高い加工精度を要求するXバンド加速構造や超電導材で製作するLバンド加速構造などが挙げられます。いずれも高次モードを減衰させながら高加速勾配(電場)を発生させることが共通の目的であり、同調の難しいXバンド加速構造では製作公差の厳しくした超精密加工向けの設計、Lバンド加速構造ではマルチパクティングの抑制がそれぞれの固有の課題としてありました。
高次モードなど電磁場の計算でも、マルチパクティングの計算でも、加速構造全体に渡って精密に計算するには、その計算量の大きさから並列計算が必須であり、これに対応できるのはAnalystしかなかったことが導入の動機であり、実際Analystはこれに応えてくれた、とのことです。

【現在の研究】
Lバンド空洞内壁面の小さな形状欠陥が超電導の熱的破壊の原因になっていることが疑われ、それを検証する精密計算を行っています。

【今後の Analyst への期待】
完全な64ビット化、過渡解析を可能にする時間領域計算機能の追加、荷電粒子ビームとの相互作用を可能にする計算機能の追加などを要望する、とのことです。

 

図1-Xバンド加速構造の計算模型と壁面周波数感度分布
(赤青両端に近い色の箇所は高精密な加工を要する)

 

図2-Xバンド加速構造の製作後の周波数分布
(所期の1MHzに収まっている)

 

 図3-Lバンド加速構造の端部段差で生じたマルチパクティングの解析」
(30 MV/mに起こるものが400 eV付近の衝突エネルギを持ち高い放出率を与えている)


図4-Lバンド加速構造の高次モード減衰器
(右の旧型で見られたマルチパクティングは左の新型では抑えられている)